有望技術紹介

90 マグロの脂質含有量測定装置

株式会社 相馬光学
株式会社相馬光学は、近赤外マグロ脂質測定装置を開発し、それををIoT化することにより、良質なマグロを科学的根拠をもって消費者に届けられるシステムを開発した。

【本技術の概要】

株式会社相馬光学は東京都立産業技術研究センターの公募型共同研究にて近赤外マグロ脂質含量測定装置のIoT化をした。科学的評価とデータ活用技術を組み合わせ「食の安心安全」と「流通の合理化」を実現する事が目的。従来、マグロの脂質含量は職人の目視・相対による方法で目利きされており、精度と時間に課題があった。そのため、非破壊で迅速に測定ができる近赤外分光を用いた科学的評価による適切な流通システムの必要性があると考えた。非破壊迅速測定可能な近赤外マグロ脂質含量測定装置をIoT化することにより、科学的評価とデータ活用技術を組み合わせ、「食の安心安全」と「流通の合理化」の実現を目指した。

マグロの脂質含有量測定装置「PiPiTORO」の IoT 化と従来法との比較

【本技術の詳細】

近赤外分光の原理は、白色光の波長領域700~2,500nmを対象物に照射し、分光透過率・反射率を測定し、得られたスペクトル波形から成分量を推定する原理である(図2)。近赤外分光法はどんな対象物でも非破壊で迅速に成分量が求められることから、農作物・食品などの成分定量に広く用いられている。マグロの脂質測定では、装置先端部よりマグロに光を照射し波長ごとに吸光度スペクトルを求め、二次微分を施すことで、脂質含有量をわずか1秒で算出できる。

近赤外マグロ脂質測定装置の原理

 実用化に際して、データベースの充実が必要であることから、クロマグロ試料(71点)を調達し、スペクトル測定値とソックスレー法による脂質含有量分析値の結果から統計解析・計算プログラムを使用して、検量線を作成した。相関係数R=0.96、誤差SEP=1.70の結果を得た

【本技術の技術開発・事業展開】

 IoT化によるマグロ品質情報取扱いは、水産業の産地・市場に抵抗感があり、参入が難しい部分があるといわれている。しかし、科学的評価は、農業(果実糖度選別)、畜産業(和牛脂肪酸によるブランド化)で「食の安全・安心」のために利用されており、水産業においても、今後、必須となるものと考えられることから、漁業関連団体との連携を推進するなどして進めていく方針である。また、ターゲットをマグロだけに絞っていたが、今後は国内で養殖されている魚においても事業を展開できないか検討する。

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