野菜や果物などの「おいしさ」を、画像解析により破壊することなく迅速に低コストで「見える化」する解析システムを開発した。
【本技術の概要】
マクタアメニティ(株)は、野菜や果物などの目に見えない「おいしさ」を、スマートフォンなどのカメラで撮影し、画像解析で「見える化」する技術を開発した。野菜などを生産している農家の作業場、直売所やスーパーなどで、野菜や果物を撮影し、所定の栽培情報などと一緒にスマートフォンで送信すると、数秒で品質(味覚)の測定情報が得られる。
本技術は、スマートフォンなどで撮影した野菜などの画像を光の3原色(赤・青・緑)に分光し、デジタル化し、各色の波長を記憶したAI(人工知能)が、予め味覚センサーで定量化したデーターベースに格納された味覚情報と照合、瞬時においしさを解析して表示する。従来のように、高額な近赤外線糖度計(光センサー)や、味覚センサーで測定するため野菜などの果汁を絞り、ミキサーで砕く必要がなく、非破環で簡便、しかも瞬時に解析データが得られる。
【本技術の詳細】
山形大学学術研究院とともに、野菜や果物の画像情報をR、G、Bに分解したRGBヒストグラムの平均値と標準偏差から非破壊によるおいしさの見える化システムを開発。19種類の野菜と果物で、糖度(Brix値)や味覚センサーで測定した味覚値、グルタミン酸含量などと硝酸イオン含量およびRGBデータとの間に高い相関性が認められた。
【本技術の技術開発・事業展開】
「食味」や「成分」に特徴がある野菜を作っても、それらが品質の指標となっていないため、価格には反映され難い状況にある。同社の野菜や果物の「おいしさの見える化技術」は、丹精込めた農産物をおいしいものを作る生産者が報われる新システムであり、また、「おいしさ」を阻害する栽培要因も解明できる手段でもあるので、多くの分野に展開が見込める。今後は、「おいしさ」という目に見えないものを、「見える化」することで、農業生産から流通・消費者までサポートする
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