有望技術紹介

105 マシンビジョン用カメラ

株式会社プラックス
株式会社プラックスは、ロボットや検査機に搭載されるマシンビジョンシステムに液体レンズを採用した小型のグローバルシャッターカメラを商品化した。

【本技術の概要】

 電子部品などの生産工程では、ロボットや検査機に搭載されているマシンビジョンシステムが重要な役割を担っている。株式会社プラックスは、液体レンズを採用した小型分離ヘッドグローバルシャッターカメラを商品化した。これまでは複数のレンズシステムが必要だったが、単一の液体レンズによって焦点を5cm~無限遠までの調整が可能になった。また、グローバルシャッターCMOSセンサを採用することで、移動体を高速・高解像度で撮影するのに適したカメラを実現した。

【基本原理】
 液体レンズは、従来のガラスやプラスチック製のレンズとは異なり、導電性材料と導電性液体を使用し、電流または電圧を印加することで曲率を変化させ、単一レンズで焦点距離を変化させることができる。(下図)
機械的可動部が無いので、高速で焦点調整が可能、静音、低消費電力、小型という特徴がある。 一方、弱点としては、ガラスの非球面レンズのような解像度は実現できず、メガピクセルが限度と言われている。(液体レンズは海外メーカー数社が販売している)

              液体レンズの電圧による焦点距離の変化


【小型分離ヘッドグローバルシャッターカメラの特長】
 同社が商品化した小型分離ヘッドグローバルシャッターカメラシステムには液体レンズを搭載していることから、レンズ前面より5cm~無限遠までフォーカス調整が可能である。本システムでは、機械式をはるかに上回るスピードで高速ピント調整ができることが確認された。

【本システムの特長】
① 可動部品が一切無いためフォーカス調整動作の耐久性が高い
② フォーカス調整のスピードが速い
③ 動作音が静かで、消費電力が少ない
④ グローバルシャッター方式で移動体の認識に向いている

【主な利用用途】
・ 自動車や電子部品の生産工程のロボットによる自動化
・ 食品や容器・ラベルの検査の自動化
・ 製薬における製品検査、内容物検査
・ 物流における仕分け、AGV自動搬送への利用


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