株式会社村田製作所
素早く高感度に細菌などの微生物検査を行うことができる「光濃縮システムを使った迅速微生物検査装置」を大阪府立大学と共同開発した。
素早く高感度に細菌などの微生物検査を行うことができる「光濃縮システムを使った迅速微生物検査装置」を大阪府立大学と共同開発した。
【本技術の概要】
食品業界では、食中毒の予防、食品の衛生管理、品質・安全性評価、食規格・基準の判定など、細菌検査を実施する局面が多くある。また、グローバル化にともない食品の輸出入など人とモノの動きが活発化し、素早く細菌検査を行う必要から、検査の効率化が重要な課題となっている。同社は、実用化の更なる加速のため食品検査市場、臨床検査市場に向けて開発した「光濃縮細菌検査システム」を、オープンイノベーションとして共創で開発をするパートナー企業の募集もはじめた。
【本技術の基本原理】
大阪大学で研究開発された光濃縮技術は、微生物の入った液体サンプルにレーザーを照射し、マイクロバブルと熱による対流を発生させて濃縮する基本原理を基に、光学系と基板の改良で同技術のバブルの発生効率や対流の作用範囲を向上させ、捕捉率は従来の大型機の1.8倍を実現した。1つの素子を用いて300秒間のレーザー照射を行うことで10万個以上の細菌や微粒子を捕捉できるようになった。
【本技術の特徴】
- 検査時間の短縮
従来培養法で48時間かかっていたものが、約90秒で検査を終了することができる - コスト削減
検査時間の短縮による人件費の削減と、検体を保管する設備が不要となるので設備コストも削減 - システムの小型化により必要とする場所まで持ち運んで使用することが可能
従来の光濃縮システムではスーツケース程度(長さ87㎝×幅67㎝×厚み72cm)だった装置サイズを、持ち運び容易な手のひらサイズ(長さ10㎝×幅6㎝×厚み2cm)まで小型化に成功