ナノダックス株式会社
ベンチャー企業のナノダックス(株)は、FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンター用に世界初となるポリプロピレンとリサイクル・グラスウールを配合した素材を製品化した。
ベンチャー企業のナノダックス(株)は、FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンター用に世界初となるポリプロピレンとリサイクル・グラスウールを配合した素材を製品化した。
【本技術の概要】
ナノダックスが開発したFDM方式の3Dプリンター用PPフィラメント「3D magic」は、廃棄ガラスをリサイクルして得られたグラスウールを同社の特殊配合技術で樹脂の収縮を抑制し、耐熱性や強度を改善した世界初となる高機能で実用的な素材である。なかでも、3D造形による義肢装具づくりでは、ながらく最適な素材がなかった。
同社はもともと、ナイロンの釣り糸の強度をあげるために使われるナノレベルの添加剤の事業からスタートした。その後、サンゴバン社と共同で、グラスウールを樹脂に練りこんだ強化熱可塑性樹脂製造法の開発に成功した。
【本技術の特徴】
① PP樹脂にグラスウールを配合することで、FDM方式の3Dプリンター用素材を実現
② グラスウールは廃棄ガラスのリサイクル品を使用しており環境に優しい素材
③ 軽量で層間密着力を大幅に改善した
④ 強度、耐久性、耐薬品性などが優れている
⑤ 加熱することで形状の微調整ができるので、義足・義手・カバーなどの後調整が容易
⑥ 着色できることからながらく実現できなかった義足・義手の素材として意匠性を実現した
【本技術の応用事例・想定用途】
事業化では、科学技術振興機構(JST)主催の「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)」事業に指定され、委託費は5年総額で5億円を得た。幹事機関は 山形大学理工学研究科で、ナノダックス、LIGHTz、愛和ライト、ダイキン工業、セイコーインスツル、信越化学工業、ウシオケミックス、東洋アルミニウムが参加することが決まった。