有望技術紹介

25 処理能力が高い独自の液体クロマトグラフ

日本分析工業株式会社(JAI)
液体クロマトグラフの処理能力を改善した独自のリサイクル分取液体クロマトグラフ

JAIでは液体クロマトグラフ(HPLC)の高い分離能力に着目し、通常の一万倍(10g)の試料を注入しても分離能力が低下しない「リサイクル分取液体クロマトグラフ」(R分取HPLC)の開発・製造を行っている。

【本技術の特徴】
R分取HPLCは、短い分取カラムを使って繰り返し溶離液を通液する方法(世界で初めて商品化)で、次の特徴がある。
① 分離能力の向上:装置内の拡散を防止し、分離はリサイクルを重ねて分離能力が向上する。
② 運転コストの低減化:短い分取カラム(1〜2本)で高理論段分離ができ、その上、リサイクル時には溶媒を消費しないので、運転コストの低減化が実現した。
③ 装置の保守:分取カラム2本でも、カラム入口圧は8MPa以下と低く、装置に負担をかけないことから、故障が少なく装置の保守が容易なった。
④ 背進防止ユニット:リサイクル中の背進が防止されるので、常に装置流路をクリーンに保てる。

【本技術の応用事例・想定用途】
現在、R分取HPLCの販売先は大学や、企業の基礎研究分野向けである。代表的なカラム構成は、内径20mm〜40mmの分取カラムが主流で、一回の試料導入量は100mg〜4g程度。また、既に企業の製造プラント向けに内径100mm〜300mmの分取カラムを装備した販売実績もある。現在は基礎研究段階での需要が主だが、今後、企業内での研究が進み製造プラント段階へと移行拡大するものと考えている。
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