極小径光ファイバプローブを用いた微細三次元形状の精密測定
直径5μm以下の光ファイバープローブを使用して微細形状(直径10μmの深穴など)をナノオーダで精度良く簡便に計測できます。
研究機関・所属 | 九州産業大学 工学部 機械工学科 |
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氏名・職名 | 村上洋 講師 |
研究テーマ名 | 極小径光ファイバプローブを用いたマイクロ三次元形状測定機による微細形状のナノ計測 |
応用想定分野 | 微細穴等の細かい幾何形状の測定 |
技術概要
MEMS・マイクロマシン用部品や微細金型,ノズル穴などの立体的で微細な三次元形状が増加しており,これらを精密に測定するニーズが増加しています。プローブシャフトが小径になると剛性の問題から測定精度が低下し、またプローブの製造が困難で高価(高アスペクト比+小径)になることから、従来技術では0.1mm以下の微細な穴や溝を有する形状の測定が困難でした。そこで,直径5μm以下の極小径の光ファイバの接触式プローブ(プローブ:実際に測定対象面に接触し測定を行う部位)を用いることにより,10μm以下の穴や溝を有する微細形状を高精度に測定可能な装置の開発を行っています。
- 測定装置概略図
- φ600 μm ルビー球の測定結果
- φ10 μm 微小径穴の測定結果
【図の説明】
提案プローブではプローブ接触子の測定面への接触に伴う変位(スタイラスシャフトのたわみ量)をレーザで非接触計測するために,微細径で剛性が低いプローブでも接触検知・変位量の測定が可能です。
技術の特徴
- ・プローブシャフトのたわみを非接触で間接的に検出するので,微細径で剛性が低いプローブでも適用可能で,タッチトリガプローブとしてだけではなくスキャニングプローブとして利用可能です。
- ・プローブの接触方向が検出可能で高分解能(10nm以上),低測定力(数nN以下)です。
- ・タッチトリガー式,スキャニング式どちらでも使用可能であるので形状の寸法精度のみならず表面粗さも測定可能です.また,深穴や深溝の測定にも対応可能です。
- ・プローブはたわみやすく強靭で破損しにくく,また,製造は容易です。
従来技術との比較
特許出願状況
公開公報 出願番号2007-269005,公開番号2008-122370,出願日2007.10.16,発明者:村上洋他1名,発明の名称:形状測定装置及び形状測定方法研究者からのメッセージ
測定装置の実用化を目的とした各企業(精密測定,加工,位置決め技術を保有する/形状測定装置の技術開発・商品開発に関心もしくは実績を有する(or知見を有する)企業・組織など)との共同開発および意見交換を提案します。