NEDO 若手研究グラント平成21年度採択テーマから産学連携のための研究紹介

お問い合わせ

ミリ波・サブミリ波領域のSパラメータの絶対値評価技術

自動車レーダーなどミリ波領域のアプリケーションが増えていますが、その部品の性能評価や不要輻射の測定に必要な測定基準に関する認識は産業界ではまだ少ない。本研究室では国際規格でも要求される正しい高周波評価(S-parameter評価)を行うための標準器と測定器(ベクトルネットワークアナライザ)の高精度測定を提供します。

研究機関・所属 産業技術総合研究所 計測標準研究部門
氏名・職名 堀部雅弘 研究員
研究テーマ名 ミリ波・サブミリ波領域のSパラメータ測定の国際標準化に向けた評価技術研究開発
応用想定分野 自動車レーダー、高周波デバイス、高周波部品、電波吸収材、高周波用基板材料、パッケージ材料
技術概要

 ミリ波・サブミリ波の産業利用が進んでいる。特に自動車交通の安全性向上のため自動車用レーダーの開発と実装が加速しています。本研究室では高周波特性を表すSパラメータ測定の国際標準化に向けた技術研究を通して、従来解析が困難であったミリ波・サブミリ波帯の測定精度評価技術を容易にしています。 国際的にももっとも高い周波数かつ精度で標準器を実現しています。これは高周波測定技術のみならず、高周波部品の形状を正確に評価できる幾何測定技術の開発が伴って初めてできたものです。

技術の特徴
 2つの要素からなります。
(1)
標準器(同軸系と導波管系)の製作・特性評価と提供
(2)
測定器(ベクトルネットワークアナライザ)の測定精度・確度評価技術の提供

 ユーザに標準器を提供し、測定器評価校正のガイドラインとノウハウを提供することで現場における正しい測定を実現できます。
 評価・校正の方法には複雑な計算処理を必要としますが、ユーザの利便性と技術普及のために、Excelのマクロでユーザに提供できるようになっています。

従来技術との比較
標準化を確立し普及する本研究では比較対象はありません。
特許出願状況
ありません。
研究者からのメッセージ

 評価技術は確立しましたので、今後は自動車レーダーなどの高周波デバイスや部品を開発・製造しているメーカー、また、電波吸収材、高周波用基板材料、パッケージ材料などの素材メーカーと一緒に現場での評価を通して問題点を明らかにし、よりよい校正方法の提供とガイドライン制定および国際標準化に向けて前進したいと考えております。

参考:

高周波伝送路のSパラメータ標準の開発と供給(産総研ニュース)
http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/vol08_01/infra/p32/p32.html

お問い合わせはこちらから